相続放棄後に遺品整理はしてもいい?事前に知っておきたい注意点を徹底解説
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2026.06.29
お役立ちコラム
相続放棄後に遺品整理はしてもいい?事前に知っておきたい注意点を徹底解説
いつもブログをご覧くださり、ありがとうございます。
関西遺品整理サービスの代表・小笠原翼です。
親族が亡くなった後、遺品整理を進めようとした矢先に「故人に多額の借金があることが分かった」「遺産よりも債務の方が多いかもしれない」といった状況に直面することがあります。
このような場合、負の遺産を引き継がないための法律上の制度が「相続放棄」です。
本記事では、遺品整理と相続放棄の正しい関係、家財道具を処分する際の注意点、さらには遺品の売却や相続税にまつわる税金のルールまで、専門知識を分かりやすく徹底解説します。
「相続放棄をする場合、遺品整理をどう進めればいいのか?」
「良かれと思って不要な家財道具を処分をしたら、相続放棄ができなくなるって本当?」
といった疑問や不安を抱える方のご参考になると思いますので、ぜひご一読ください!
目次
- 相続放棄とは?基本概要を分かりやすく解説
- 相続放棄を選ぶ代表的なケース
- 相続放棄の手続きの流れと注意点
- 相続放棄の手続きの流れと「3か月」の期間制限
- 手続きの流れ
- 相続放棄前後に避けるべき行動
- 【重要】相続放棄後の遺品整理について
- 相続放棄後の遺品整理の必要性
- 「形見分け」や「ゴミの片付け」はどこまで許される?
- 注意点!
- 相続放棄後に発見される財産や借金の取り扱い
- 新たな財産(現金や貴金属など)が見つかった場合
- 新たな借金(督促状など)が見つかった場合
- 相続放棄をしても、遺品整理や管理が必要なケース
- ケース1:賃貸アパートの退去を迫られている(現に占有している場合)
- ケース2:次順位の相続人がいない、または全員が放棄した
- 遺品整理・売却と税金(相続税・譲渡所得)について
- 遺品整理の費用は、相続税から差し引けるか
- 相続税の対象
- 遺品整理費用の扱い
- 遺品を売却したときにかかる税金(譲渡所得税)
- 日用品の売却は原則非課税
- 課税対象となるもの
- リサイクルショップや買取業者を利用する際の注意点
- まとめ
- 遺品整理でお困りの方は、関⻄遺品整理サービスにご相談ください
- 記事監修
相続放棄とは?基本概要を分かりやすく解説
相続放棄とは、亡くなった人(被相続人)の財産を「一切相続しない」と宣言する法律上の手続きです。
相続する財産には、預貯金や不動産、車などの「プラスの財産」だけではなく、借金や未払いの税金、住宅ローンなどの「マイナスの財産(債務)」も含まれます。相続放棄をすると、最初から「法律上の相続人ではなかった」ものとみなされるため、故人の借金を代わりに返済する義務が完全に消滅します。
相続放棄を選ぶ代表的なケース
・故人に多額の借金やローン、未払金がある
・疎遠だった親族の遺産相続トラブルに巻き込まれたくない
・実家の空き家など、管理しきれない不動産を引き継ぎたくない
「借金から解放されるなら、すぐに手続きをしたい」と思うかもしれませんが、相続放棄には非常にデリケートなルールが存在します。特に、遺品整理のタイミングや内容によっては、法律上、相続放棄が認められなくなってしまうリスクがあるため、慎重に行動する必要があります。
相続放棄の手続きの流れと注意点
相続放棄は、ただ周囲に「私は相続しません」と口頭で伝えるだけでは成立しません。家庭裁判所に対して正式な手続きを行う必要があります。
相続放棄の手続きの流れと「3か月」の期間制限
相続放棄の手続きは、「自己のために相続の開始があったことを知った時(通常は被相続人が亡くなったことを知った時)」から3か月以内に、故人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ申し立てる必要があります。
手続きの流れ
STEP01.必要書類の収集
故人の住民票除票、死亡の記載がある戸籍謄本、申述人の戸籍謄本、相続放棄申述書などを用意します。必要な書類は、故人との関係性によっても異なるため、事前に確認することをおすすめします。
STEP02.相続放棄申述書の作成
裁判所のホームページ等から用紙をダウンロードし、相続放棄の理由などを記入します。
STEP03.家庭裁判所への提出
直接窓口に持参するか、郵送で提出します。
STEP04.照会書への回答
提出後、裁判所から確認の書類(照会書)が届くので、回答して返送します。
STEP05.相続放棄申述受理通知書の受取
問題がなければ、裁判所から受理通知書が届き、手続きは完了です。
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【POINT!】 |
相続放棄前後に避けるべき行動
相続放棄を検討している、あるいはすでに手続きを終えた段階で、最も気をつけなければならないのが「法定単純承認」という仕組みです。
民法第921条では、相続人が相続財産の一部でも処分、消費などをした場合、相続することを承認したもの(単純承認)とみなすと定めています。一度単純承認とみなされると、あとから借金が見つかっても、相続放棄ができなくなります。
つまり、「相続放棄をするなら、原則として遺品(家財道具)を処分してはいけない」というのが鉄則です。
【重要】相続放棄後の遺品整理について
ここでは、家財道具の処分が相続放棄に与える影響をさらに深掘りし、具体的な遺品の取り扱いについて解説します。
相続放棄後の遺品整理の必要性
結論から言うと、相続放棄をしたのであれば、遺品整理を行う必要はありませんし、むしろ行うべきではありません。
なぜなら、相続放棄によって「最初から相続人ではなかった」ことになるため、故人の残した遺品(家財道具やゴミなど)を片付ける権限も義務も失うからです。良かれと思って賃貸アパートの部屋を片付けたり、家具を粗大ゴミに出したりすると、それが「財産の処分行為」とみなされ、相続放棄が取り消される原因になります。
「形見分け」や「ゴミの片付け」はどこまで許される?
「一品たりとも触ってはいけないのか」というと、例外的に認められる範囲もあります。法律上、「財産的価値のないものの形見分け」や「不衛生なゴミの廃棄」は、単純承認には当たらない傾向があります。
しかし、この境界線は非常に曖昧です。ここでは、処分して良いものとダメなものの例を一覧でご紹介します。
| 触ってよいもの(単純承認になりにくい) | 絶対に触ってはいけないもの(単純承認になるリスク大) |
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①一般廃棄物(明らかなゴミ) 生ゴミ、期限切れの食品、古い雑誌など |
①市場価値のある家財道具 年式の新しい家電、ブランド家具、貴金属など |
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②財産価値のない形見の品 故人の写真、手紙、使い古された衣服や日用品 |
②骨董品・美術品・コレクション 時計、カメラ、楽器、絵画など(売却できるもの) |
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③保存行為にあたる片付け 異臭を放つゴミの撤去、雨漏りから家財を守る移動 |
③自動車・バイク 廃車手続き、売却、知人への譲渡もNG |
|
④故人の財産からの火葬費用支払い 常識の範囲内の身の丈に合った葬儀費用の算出 |
④預貯金の解約・引き出し 故人の口座からお金を下ろして自分のために使う行為 |
注意点!
「着古した服だから価値はない」と思っても、ブランド物であれば価値があるとみなされる場合があります。自己判断での形見分けや処分は極めてリスクが高いため、少しでも迷ったら、遺品整理の専門業者や法律家(弁護士・司法書士)に相談することを強くおすすめします。

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相続放棄後に発見される財産や借金の取り扱い
相続放棄の手続きが終わった後、あるいは手続き中に、知らなかった現金や通帳、あるいは督促状(借金)が新たに見つかることがあります。
新たな財産(現金や貴金属など)が見つかった場合
決して自分のポケットに入れてはいけません。相続放棄をした以上、その財産を受け取る権利はありません。そのまま手を触れずに保管しておく必要があります。
新たな借金(督促状など)が見つかった場合
すでに相続放棄が受理されているのであれば、その借金を支払う必要は一切ありません。債権者(貸し手)から連絡が来たら、「相続放棄をしました」と伝え、裁判所から届いた「相続放棄申述受理通知書」のコピーを提示すれば、それ以上の請求は止まります。
相続放棄をしても、遺品整理や管理が必要なケース
「相続放棄をしたから、実家もアパートもそのままで、自分には一切関係ない」と完全に放置できるかというと、実はそうではない例外的なケースが存在します。
民法第940条では、「相続放棄をした人であっても、現に相続財産を占有している場合、その放棄によって相続人となった人が財産の管理を始められるまでは、自分の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない」と定められています。
具体的には、以下のようなケースで管理責任や遺品整理の必要性が生じます。
ケース1:賃貸アパートの退去を迫られている(現に占有している場合)
故人が一人暮らしをしていた賃貸物件の鍵をあなたが持っている、あるいは同居していた場合など、「現にその財産(部屋や家財)を占有している」状態のときは、次の管理者が決まるまで、あるいは部屋を大家さんに引き渡すまでの間、適切な管理が求められます。
そのため、放置して生ゴミが腐敗し、害虫や異臭トラブルが発生した場合、大家さんから損害賠償を請求されるリスクがあります。この場合、「財産価値のないゴミの撤去」に限定した遺品整理が必要になることがあります。
ケース2:次順位の相続人がいない、または全員が放棄した
あなたが相続放棄をすると、相続権は次の順位の人(子ども→親→兄弟姉妹)へと移ります。もし、すべての親族が相続放棄をした場合、最終的に財産を管理する人がいなくなってしまいます。
この場合、国の財産として精算するために家庭裁判所へ「相続財産清算人(旧:相続財産管理人)」の選任を申し立てる必要があります。この清算人が選ばれて引き継ぎが完了するまでは、最初に放棄した人が(現に占有していれば)管理を続けなければなりません。清算人が選ばれた後、その清算人の主導によって正式な遺品整理(家財道具の処分や売却)が行われることになります。
遺品整理・売却と税金(相続税・譲渡所得)について
遺品整理を行う際、あるいは遺品を売却する際には、切っても切り離せないのが「税金」の問題です。特に、相続放棄をしない場合、または相続放棄が認められず単純承認となった場合には、以下の税金ルールが重くのしかかってきます。
遺品整理の費用は、相続税から差し引けるか
「遺品整理にかかった費用は、相続税から差し引くことができるのか?」という質問をよくいただきます。結論として、遺品整理の費用(部屋の片付け代、不用品回収代など)は、原則として相続税の「葬式費用」や「債務」として控除することはできません。
相続税の対象
亡くなった時点での財産総額が、基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を超える場合に課税されます。
遺品整理費用の扱い
遺品整理は「相続人が相続した後に、自分の意思で行うもの(財産の維持・管理費用)」とみなされるため、相続税の計算上、マイナスできる経費(控除)には認められないのが一般的です。ただし、故人の生前に「生前整理」として契約・支払いを済ませていた場合は、生前の資産を減らすことになるため、結果として相続税対策につながることがあります。
遺品を売却したときにかかる税金(譲渡所得税)
遺品整理の過程で、貴金属やブランド品、骨董品、あるいは不動産や自動車などを売却し、現金化することがあります(※注:相続放棄をする場合は前述の通り売却NGです)。
遺品を売却して得た利益には、「譲渡所得税(じょうとしょくとくぜい)」という税金がかかる場合があります。
日用品の売却は原則非課税
衣服や家具、一般的な家電など、生活に必要な動産(生活用動産)を売却した場合、いくらで売れても税金はかかりません。
課税対象となるもの
1個または1組の価格が30万円を超える貴金属、宝石、書画、骨董品などは、生活用動産とはみなされず、譲渡所得の課税対象となります。
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注意点①30万円は売却益ではなく、売却価格(収入金額)が基準 たとえば、60万円で購入した宝石が80万円で売れた場合、売却益は20万円ですが、売却価格が80万円なので課税対象となります。 |
課税対象となった場合、購入時の価格(不明な場合は売却額の5%を取得費とみなす)を差し引いた「売却益(譲渡益)」が譲渡所得として課税され、確定申告をして税金を納める必要があります。
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注意点②実際に税金がかかるかどうかは「特別控除」と「所有期間」で変わる 譲渡所得には年間最大50万円の特別控除があります。そのため、30万円を超える骨董品などを売却した場合でも、その年の譲渡益の合計が50万円以下であれば、実際には税金がかからないケースがほとんどです。 課税される譲渡所得 = 売却価格 −(取得費+譲渡費用)− 特別控除額(最大50万円) また、取得してから5年を超えて所有した資産(長期譲渡所得)は、上記の計算で求めた金額をさらに2分の1した金額が課税対象となります。長期間手元にあった遺品ほど、税負担が軽くなる仕組みです。 |
リサイクルショップや買取業者を利用する際の注意点
高額な遺品を売却する際は、必ず「買取証明書」や「領収書」を保管しておきましょう。後に税務署からお尋ねがあった際、生活用動産の売却であることや、売却金額の証明として必要になります。
まとめ
以上、相続放棄と遺品整理について解説いたしました。
基本的には、相続放棄をした場合、遺品整理をする必要はありません。しかし、故人と同居していた場合や住居の鍵を保有していた場合などにおいては、遺品整理等の管理が求められるため注意が必要です。
本記事が、相続放棄や遺品整理についてお困りの方のお役に立てれば幸いです。
遺品整理でお困りの方は、関⻄遺品整理サービスにご相談ください
大切な親族を亡くされた悲しみの中で、こうした複雑な法律や税金のルールをすべて個人で把握し、正しく判断するのは難しいと思います。
関⻄遺品整理サービスでは、このような複雑な事例の遺品整理にも対応してきた豊富な実績と専門知識がございます。
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記事監修
関西遺品整理サービス
代表 小笠原翼
一般社団法人遺品整理士認定協会認定 地区統括会員
遺品整理士認定 第IS09918号
2017年の創業以来、遺品整理士認定協会が認める「優良事業所」に連続で選出。これまでに1万件以上の遺品整理・片付け・清掃・ご供養を担当。遺族の心に寄り添う整理と、適正な処分・買取の専門知識を持ち、関西遺品整理サービスの代表理事を務め、遺品整理士の育成にも尽力している。
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